明治から昭和時代の染色家であり
重要無形文化財「江戸小紋」の保持者。
東京に生まれる。本名は小宮定吉。
農家の二男だったが幼い頃から小判の型付け屋
茂十郎に師事し小判染を八年間修行した。
技法を一通り完全に修得した後、
当時の習慣に従って都内一流の型付け師の工房で技を磨く。
1907年に浅草千束に板場を設けて独立開業する。
後、関東大震災で焼け出されたのをきっかけに
小紋染に水質の適している中川河畔に職場を移動。
1910年頃「シゴキ」の技法による地染を採用し、
それ以来小紋染の上手として広く世界に知られる。
1938年に誕生した息子・康孝に厳しい指導をし、
後進の指導にも熱を傾けた。
1955年、重要無形文化財「江戸小紋」の保持者に認定される。