東京の伝統工芸の一つで扇絵師の宮崎友禅斎によって考案された染色。
時代は幕末、贅沢を禁止する「奢侈禁止令」を発し、
着物では総鹿の子絞を取締の対象としていた為
染職人や華やかな着物が着たい娘たちにとって
豪華でありながら禁令対象外の京友禅の発明は画期的なものだった。
加賀友禅では実写的な絵柄が多いが、
京友禅は花鳥風月をより優美にデザインし、
色使いも気高く奥ゆかしい。
京友禅の完成までの工程は非常に多いもので
完成までに大変な手間があり、京都ではこれを専業分業化している。
それでも仕上がりまでは数か月かかってしまう。
明治時代に入ると化学染料が使用されるようになり、
型紙を使って大量生産することのできる型友禅も開発された。
次第に、手描き友禅は「本友禅」と呼ばれるようになり
型友禅よりも高価なものとなってしまったが
職人が一点しか作れない本友禅の魅力は何物にも代えがたい。