くしの切り込みと切り込みの間部分は「歯」と呼ばれ、
歯を髪に通すことによって髪をといたり、
簪(かんざし)と同じように髪を飾るといった使い方をする。
古来はダニやシラミ・ノミといった吸血虫やふけなどを
取り除く衛星用具としての側面もあったが、
入浴や洗髪の習慣が普及すると衛星用具としての役割は衰退した。
日本語で「櫛」は「串」と同じく霊妙なことや不思議なこと
という意味が語源となっている。
そのため呪術的な意味付けが見られる。
読みからは「苦死」に通じるため
道に落ちているくしを拾う事は縁起が悪いとされた。
どうしても拾わなければいけないときは足で踏んでから拾った。
また、ドイツ童話の中の「白雪姫」のように
くしが女性を気絶や金縛りにする黒魔法の道具として登場することもある。