昭和時代の型紙彫刻師であり、
重要無形文化財「伊勢型紙道具彫」の保持者。
三重県鈴鹿市生まれ。
人生を通して「道具彫」を極めた職人である。
小学校六年生の頃から
父兼松の家業であった伊勢型紙彫刻に馴染んだ。
白子町立乙種工業学校卒業後は
父に就いて17歳から15年間本格的に型紙彫刻の修練を積み、
特に道具彫を得意とした。
手作りの彫刻刀は悠に三千本を超え、
それらの道具で数多くの優れた型紙を彫った。
1950年に白子町染型紙彫刻組合の副組合長、
1954年には同組合長に就任。
また1955年には重要無形文化財「伊勢型紙道具彫」の保持者
として認定されると共に労働大臣より感謝状を受ける。
後継者養成にも尽力し、その人柄を含め、
指導者としても高い評価を受けた。
1902年 三重県鈴鹿市
1918年 白子町立乙種工業学校の卒業と同時に父兼松から15年間型紙彫刻を学ぶ
1950年 白子町染型紙彫刻組合の副組合長に就任
1954年 同組合の会長に就任
1955年 重要無形文化財「伊勢型紙道具彫」の保持者に認定、労働大臣より感謝状を受ける
1963年 鈴鹿市の伊勢型紙継承者養成事業の講師に就任
1972年 勲五等瑞宝章を受章。
1985年 逝去