日本における綿織物の中でも最高の格をもつ織物。
庶民の着物として人気が高かった薩摩絣も、綿織物ということで
戦後になると需要が急激に少なくなりはじめてしまった。
その薩摩絣のを現代に復興させたのは、
締機の工法を完成させた永江伊栄温の三代目東郷治秋である。
紬の研究を熱心に続け、大島絣などを手掛けた後、
昔の薩摩絣以上の物をと考え大島絣の精巧な技法を駆使して作り上げた。
かつては琉球絣の流れをくむ素朴なものだったが
現在はその面影をまったく残しておらず、
むしろ大島紬の気分を木綿で味わえるというほどお洒落着となった。
そのため、大島紬や結城紬の着物を着尽くした人が
最後に求めるものといわれるほどの贅沢さと品格を持つ。