日本の染め師であり、
友禅の重要無形文化財保持者。
1877年、京都に生まれる。本名は田畑貴之助。
始め日本画家を志望し
1981年、14歳で京都四条派の幸野楳嶺、竹内栖鳳に師事。
後年の写実風友禅模様の基礎を固める。
1894年、父の死去により京都府画学校を中退。
1895年、御所の御用を承ってきた
京都の手描友禅の名門である
田畑家の家業を継いで三代目田畑喜八を襲名。
意匠や色彩など新鮮な趣味の開拓に努力し、
終始友禅の高度な伝統技を駆使した絵画的作調を得意とした。
明治以来の輸入染料は染織界に大きな変化をもたらし、
京都友禅を多彩化させたがその中心となって活躍した。
1897年頃より田畑コレクションとして知られる
古代裂の収集、研究を行って模様染に関する重要書類を残した。
1946年、長男に家督を譲った後、
日本工人社の結成に参加し、手描友禅の新人教育に尽くした。
1955年、重要無形文化財「友禅」の保持者に認定された。
また同年、日本工芸会の発起人の一人としても活躍した。