譜面台は洋楽ジャンルでも用いられますが、ほとんどが座奏である和楽器用の譜面台は、邦楽など日本の伝統芸能において、台本や譜面を見るために使用する台として「見台」という言葉も使われます。
見台を譜面台として捉えると、邦楽で用いられる見台(譜面台)の形態は様々あります。見台は謡曲・浄瑠璃・長唄などで、語り手や歌い手が、見ながら唄うために詞章や節付けを示した本を開いてのせる台として用いられます。見台の形によって演じられている邦楽の種類を知ることができます。
人形浄瑠璃の上演の際は、義太夫の太夫の前に、蒔絵などが施され、太い房の垂れた豪華な見台が使われ、長唄の上演時には、唄の受け持ちの人の前に足の交差した白木の見台が用いられます。また、朱塗りで太い足が3本付いている「蛸足見台」ともよばれる見台は、常磐津節で、黒塗りの1本足の見台は清元節で用いられます。
三味線等、和楽器を演奏する際にも譜面台が用いられますが、主に稽古の際に使われ、発表会など正式な上演時に譜面台を使用することは基本的にないそうです。これは、和楽において、楽器は暗譜が基本となっているためとされます。和楽用の譜面台には桐を用いたものが多く、練習用として最近はプラスティック製の譜面台も多く見られます。