小太鼓とは、英語で言えば"small drum"、すなわち字の如く小型の太鼓ですが、一般的に使われている小太鼓は、洋楽で使われるサイドドラムを指します。
和太鼓の分類は、長胴太鼓(宮太鼓)、桶胴太鼓、附締太鼓の3種類とされていますが、和楽器の中では、小太鼓の明確なサイズなどの定義はされていません。ここでの小太鼓は、お祭りや能のお囃子などで使われる締太鼓(しめだいこ)のような、バチで打って奏する小型の和太鼓を総称して小太鼓といたします。
お祭りのお囃子では笛や太鼓が定番ですが、低音の打楽器には大太鼓、中音の太鼓に使われるのが締太鼓のような小太鼓です。地方によっても異なりますが、お祭りの際、小さい子どもたちが山車や祭台にのってトントンと囃子太鼓の小太鼓の音を響かせながら巡幸する風景は、日本のお祭りの定番な風景であり、子ども達が日本文化に触れるきっかけの一つといえます。祭り囃子は室町時代に大成された能楽より派生したものです。
また、能や狂言でのお囃子の楽器の四拍子(笛、大鼓、小鼓、太鼓)にも、小太鼓が使われます。能の小太鼓は「能楽師」の中の「囃子方」の「太鼓方」に所属し、「能楽師太鼓方」と呼ばれるそうです。流派が金春流・観世流の2つがあり、演奏方法や打つ時の腕の形などがそれぞれ異なるそうです。能の小太鼓は演目によって出たり出なかったりしますが、能には指揮者がおらず、囃子の中でも小太鼓は舞台を作る一員としてリード役的な存在です。
太鼓は湿気や直射日光を嫌います。特に小太鼓は、一点集中打ちや擦り打ちに弱いので、長時間打ち続けると熱を持ち摩耗や裂けるなどの一因となりますので、メインテナンスにも注意が必要です。