締太鼓は、紐締め式の日本伝統音楽の太鼓で、「附囃子締太鼓」と「民謡締太鼓」の総称です。
主に能や歌舞伎囃子、民俗芸能の祭囃子、獅子舞などに用いられます。専用の台に置いて2本の桴で打ちます。締太鼓は、欅は松などでつくった円筒形の胴の両面に、鉄の輪に牛皮を張った皮面を当て、その縁に紐を通して胴に締めつけて作られています。古典邦楽では柔らかい音を出すために、皮の中央に鹿皮を貼付けてあります。
締太鼓は、皮の厚さによって5種類に分けられ、一番薄いものが並附、次に厚いものがニ丁掛、三丁掛、四丁掛、そして一番厚く重いものが五丁掛と呼ばれます。胴の高さも並附が15cmほどで、五丁掛は約21cmと高くなっていきます。プロには四丁掛、五丁掛が使用されることが多いそうです。
古くは、調緒と呼ばれる麻紐やロープ締めで皮を両面に張り締めていましたが、近年は工具を使ったボルト締めや簡単に調節ができるターンバックルの締太鼓もあります。
締太鼓の胴の外周部は、素材を活かした無地のものから、絵入り、蒔絵が施されたものもあります。
能での締太鼓は、演能において神や鬼などの超人的なものが登場する場面や、舞楽を盛り立てる際に使われ、軽やかで柔らかみを帯びている打音が特長です。