鉦鼓(しょうこ)は、雅楽で使われる丸い金属製の打楽器です。演奏するときは、鉦と呼ばれる金属製の丸い皿形の内側の凹面を、2本の桴で摺るように打ちます。これには「打つ」ではなく、「摺る」という言葉が使われます。
仏教で使われる鉦鼓は主に青銅製で、鉦(かね)とも称され、念仏のときに使われます。
雅楽で使われる鉦鼓には、大鉦鼓・釣り鉦鼓・荷鉦鼓の3種があります。大鉦鼓は火炎形の架台につるす舞楽に使われます。小さい架台の釣鉦鼓は、管弦や小舞楽に使われ、荷鉦鼓は行進用に使われるなど、演奏の場によって3種を使い分けます。
鉦鼓を奏するには、長さが42,5cm程の桴二本が用いられ、通常は先端に、球状にした水牛の角がついています。左手の桴が「久」、右手の桴が「礼」と呼ばれています。打法には片手で打つ「金」と、両手で打つ「金金(ききん)」の2種類があります。
小さい鉦ほど音が高く、大鉦鼓は低い音を奏でます。
通常、鉦鼓は、太鼓に付随して打たれることが多く、太鼓や鞨鼓のテンポよりやや遅れて使われます。
鉦鼓の音色は、強い音ではありませんが、金属製の音色は、雅楽の演奏をより華やかなものにします。