アビランド Havilandを買取ります
アビランドはフランスのリモージュにある高級磁器の名窯として知られ、ニューヨークで貿易商を営むダビッド・アビランドによって設立されました。
ダビッド・アビランドはリモージュ焼の美しさに惹かれ、質のよい陶磁器をアメリカで販売したいと考え、リモージュ地方に小さな工房を築いたのがアビランドの始まりでした。
ダビッド・アビランドの商才は目覚ましいもので、アメリカ人好みの絵柄を白磁器に施し、アメリカに輸出する事で10年もしないうちに小さな工房は100人以上の従業員を抱える大所帯となり、アメリカのリンカーン大統領がアビランドのディナーセットを使用した事で、さらに注文が殺到しました。
しかし、南北戦争によってアメリカからの注文が途絶えるようになり、アメリカの本社は会社として機能しなくなり、アビランドはフランスの工房だけとなってしまったため一時は存続の危機に直面します。
しかし、ダビッドはアメリカに対して積極的に営業を行い、ダビットの息子シャルルは父親の意志を継いでアメリカでの業績を伸ばし続け、100人ほどの従業員は500人以上となる大工房となり、20以上の窯を使用するまでに成長させました。
もちろん、工房をただ大きくしただけではなく、市場のニーズにもしっかりと応えており、アールヌーボーやロココスタイルなど時代を先取るスタイルを発表し続け、幾世紀もの間、秘密とされていた中国青磁の色をつくり出すことにも成功しています。
この他にもパリ印象派を代表するゴーギャン、デュフィー、コクトー、カンディンスキー、ラリックといったアーティストたちをデザイナーに迎え、レベルの高い陶磁器を生み出してきました。
その中でもナポレオン3世の時代では、皇妃ユジェニーの依頼で、ユジェニーの大好きなすみれの花をあしらった「アンペラトリスユジェニー」という絵付けを完成させ、ユジェニーは生涯この食器を楽しみ愛したと言われています。
ちなみにこのアンペラトリスユジェニーは、現在でもエリゼ宮での公式ディナー用食器として披露され、華麗な晩餐を彩っています。
透き通るような純白の磁肌と繊細なデザインを持つアビランドの陶磁器はアメリカやフランスの歴代の大統領をはじめ、ポルトガル王室、ドイツ王室、日本皇室など世界各国の王室や国家主君から愛され続けており名門ブランドとしての地位を守り続けています。