ヴァル・サン・ランベール Val Saint Lambertを買取ります
ベルギー・リエージュ郊外に創立したガラスメーカーです。
ヴェネチアンガラスの色彩技法とボヘミアガラスの伝統的カット技術に加え、型吹き手法の色被せガラスのカットガラスを使い、アール・デコやアール・ヌーヴォーの美しい作品を展開しています。
その技術はベルギーのバカラと呼ばれるほど高く評価されており、ベルギーが世界に誇る高級クリスタルガラスメーカーとして知られています。
日本には正規代理店がないため、あまり知られていませんが、ベルギー王室御用達としてヴァル・サン・ランベールの製品は使われています。
ベルギー東部リエージュ郊外にあるボッシュ村では良質な鉱石、石炭が発掘され、科学者や技術者たちが当時ベルギーを支配していたオランダ国王ウィリアム1世の養成を受け、13世紀建立のシトー派修道院跡地を社用地として買収し、ヴァル・サン・ランベールが創設されました。
はじめにヴェネチアンガラスの色彩技法とボヘミアガラスの伝統的カット技術を用いて型吹き手法の色被せガラスの製品の開発を行い、1900年初頭では二重色のクリスタルカットガラスの開発によって独自の世界観を築き上げ、その技術は世界有数の水準を誇るようになります。
更に宝飾家フィリップ・オルヴァーやジョセフ・シモン、ミューラー兄弟など優れた作家たちにデザインを依頼し、アール・ヌーヴォーやウィーン分離派の作品を手掛けるようになるとその人気を不動のものにしました。
ヴァル・サン・ランベールでは、製品の品質保持のために、デザイナーであるクリスタル・アーティスト監修のもと「5本の指」と呼ばれる卓越した技術を持つ吹き手、整形、磨き、カット、仕上げの5人の職人たちによってチーム制で制作が行われています。
このようにヴァル・サン・ランベールは芸術的なガラス製品の制作を得意としていますが、窓ガラスの生産でもヨーロッパで最大規模を誇り、日本の旭硝子ではベルギーからガラス職人を招聘し、親身な技術指導を受け、国内初の板ガラスの工業化に成功するなど、日本のガラス界にも大きな影響を与えました。