トーキーは、イギリスのトーキー地方で制作される陶磁器の総称で、
「テラコッタ」という茶色からオレンジ色の粘土を素焼きした物に
様々な装飾を施すものを指します。
1865年にトーキー郊外にあるWatcombe家の敷地内に
テラコッタ粘土が発見された事から歴史は始まりました。
その後、Watcombe家はテラコッタ陶器の研究を重ね、
スタッフォードシャーからアーティストディレクターを招き
高品質な胸像、銅像、壺、花瓶などのテラコッタ製品を制作する
「Watcombe Terracotta Clay Company Ltd」を創業しました。
そして、創業の翌年からは当時の有名なデザイナーである
クリストファー・ドレッサーから強い影響を受けたティーポットや
日本陶磁器の影響を受けた花瓶なども製作し、人気を博しました。
こうしたテラコッタ製品のビジネス成功を受け
トーキー地方に数多くの陶磁器メーカーが誕生しました。
1880年代半ばには、古典的なテラコッタ製品が流行し
WatcombeとAlexander Fisherが古典的で高品質なものを制作すると
人気を博し、さらにビジネスを拡大していきました。
1880年代後半には、ヴィクトリア女王の娘であるルイーズ王女が
トーキー陶磁器に興味を持ち、1890年に美術工芸展を開催しました。
その後もルイーズ王女のトーキー陶磁器の支援は続き、
王女に敬意を表した「Princess Louise Ware」が後に誕生します。
現在では、ほとんどの工場が閉鎖してしまい
トーキー陶磁器が生産される数が激減してしまいましたが、
世界各国の人々から愛され続けています。
1865年 トーキー郊外でテラコッタ粘土が発見される
1869年 Watcombe Terracotta Clay Company Ltdが創業しトーキー陶磁器の制作が開始
1880年 古典的なテラコッタ製品が大流行
1890年 ルイーズ王女の支援で工芸展を開催
胸像
銅像
壺
ティーポット
花瓶