奈良時代初期に編纂された書物で、
歴史書とも、神話とも言われています。
古事記は「天武天皇」の命により、
側近の稗田阿礼が「旧辞」を誦習したことから始まりました。
天武天皇が死去すると「元明天皇」が引き継ぎ、
側近の「安万侶」に稗田阿礼が誦習したものを編纂する事を命じ
714年に完成
こうして完成した書物が「古事記」です。
上巻・中巻・下巻の全三巻で構成され
上巻は伊邪那岐命(いざなぎのみこと)などの神々の物語、
中巻は神武天皇から応神天皇までの物語、
下巻は仁徳天皇から推古天皇までの物語が記されています。
原本は古くに紛失されている為、現存しているものは全て写しで
最古のものは南北朝時代に写されたものだと言われています。
写しは「伊勢本系統」と「ト部本系統」の二種類に分類されていますが
国宝に指定されている「真福寺本古事記三帖」は
伊勢本系統の最古の古事記であると言われています。
江戸時代には本居宣長による注釈書が、
第二次世界大戦後には倉野憲司や武田祐吉による注釈書が発表され
時代を超えて数多くの人々から読まれてきました。
【編纂(へんさん)】
史料を集め、整理・加筆して書物にまとめること
【旧辞(きゅうじ)】
日本古代の口承された古い神話・伝説のこと
【誦習(しょうしゅう)】
書物などを口に出して繰り返し読むこと