平安時代から鎌倉時代にかけてつくられた説話集です。
説話文学を代表する最大・最高の説話集といわれています。
全31巻で、インド・中国・日本の三国の約1000余りの説話が収録されており、天竺(インド)、震旦(中国)、本朝(日本)の三部で構成されています。
しかし8・18・21巻は欠けており、これは編纂当時には存在していたものが後に紛失したわけではなく、当初から存在しなかったと考えられていますが詳しい事は分かっていません。
各説話の全てが「今は昔」という書き出しで始まり「語り伝えるとや」で終わり名前の由来にもなっています。
また、似ている話が2つ(あるいは3つ)並べて配置される2話1類様式となっており、和漢混交文で構成されているのが特徴です。
仏教的・教訓的傾向が強いのですが本朝部(日本)の説話はあらゆる地域と階層の人間が登場し、生き生きとした人間性が描かれています。
1120年代以降に成立したといわれ、他の資料で見られるようになるのが1449年であることから、編纂後約300年ほど死蔵状態だったことが考えられています。
また、作者は現在でも分かっていません。
【編纂(へんさん)】
史料を集め、整理・加筆して書物にまとめること