1677年(延宝5年)に刊行された日本の怪談集です。
全5巻、各巻20話の合計100話で構成されています。
地域を特定せず、東北地方から九州までの日本各地の怪談を収録しています。
現存する完本は東京国立博物館に収蔵されているもののみで、題名どおりに全100話が収録されているものは現在確認されている怪談集の中では唯一のもととなっています。
室町時代・戦後時代の説話集に多かった妖怪や魑魅魍魎(ちみもうりょう)の話よりも、無惨に痛めつけられた人間の幽霊や怨霊などを扱う話が全体の1/3を占めるようになりました。
中でも女性の幽霊が多く登場し、自然界の脅威の象徴である妖怪よりも、人間の因業の恐ろしさや女性の嫉妬や執心のほうに人々の関心が高まったためだと考えられています。
江戸時代に流行した百物語怪談本の先駆けといわれ、その後に刊行される怪談本に大きな影響を与えました。