中国で造られた渡来銭と呼ばれるものの一つで、別名を明銭といいます。
中国明の第3代皇帝・永楽の時代に造られたものです。
室町時代から江戸時代初頭まで流通し、日本に大量に輸入され「永楽銭」と呼ばれていました。
永楽通宝が輸入されてからは主に東日本で流通し、今まで使用されていた宋銭は西日本で流通するという状態が続きました。
しかし、急激な経済成長や明国の海禁政策によって輸入銭だけでは足りなくなってしまい、私鋳銭や品質の悪いもの、摩耗しているものを鐚銭(びたせん)と呼び、ある程度容認され使用されていました。
また、理由は明らかになっていませんが、織田信長が永楽通宝の旗印を用いているのは有名です。