アーネスト・ハワード・シェパード
イギリスのイラストレーターで「WINNIE-THE-POOH(クマのプーさん)」の挿絵を手掛けているため、日本人にも馴染みのある画家です。
建築家の父親は絵の才能があり、母方の祖父も著名な水彩画家であった事からその才能を受け継いでおり、幼い頃からその画才を発揮していました。
父親は画家として活躍してくれるだろうと期待していましたが、本人は「冒険ができそうな大人」という事で軍人に憧れており、その頃は戦争の絵ばかりを描いていました。
そのため、第一次世界大戦では自ら進んで陸軍砲兵隊に志願しており、大尉にまで上りつめました。
画家としての道に進むきっかけは母親が亡くなった事で、画家になるため美術学校に通うようになります。
この美術学校時代では3つの奨学金を受ける優秀さを発揮しており、3歳年上の女学生フローレンス・チャップリンと出会います。
彼女の祖父は画家にして彫刻家で雑誌「パンチ」の創始者の一人エブネイザー・ランデルズで家族ぐるみの付き合いの末、フローレンスと恋人同士となります。
シェパード目標は「パンチ」に自らの作品を載せる事でフローレンスとの仲をはぐくみながら、やがて作品を載せるようになり、編集にも携わるようになった事で画家として安定的な収入を得る事になります。
妻となったフローレンスはシェパード曰く、「自分よりも画家としての才能があった」と話していますが、彼女が表舞台に出る事はなく、その生涯をシェパードを支える事に捧げていたため、フローレンスが亡くなった時は、シェパードも生きる希望を失ってしまうほどでした。
ちょうどその頃、動物の擬人化に独自のセンスを持つシェパードに「WINNIE-THE-POOH」の挿絵の依頼があり、彼の名は世界中に知られる事になりました。
その後、再婚して晩年まで独自のタッチとセンスによって次々とヒット作を生み出しています。