アメリカの抽象系の画家で、ヨーロッパを含めても抽象画の最初期に活躍していた人物です。
ヨーロッパの抽象絵画の源となっているキュビズムなどの表現主義のいずれの影響もあまり受けておらず、アメリカ独自のネイチャー文化である山、空、太陽、雲、雷、植物、動物などに根差した抽象絵画が特徴です。
アーサー・ダヴはコーネル大学で法律を学んでいましたが、美術にも深い関心を寄せており、卒業後はニューヨークの新聞で報道画家として活躍します。
その後、本格的に絵を学ぶため、ヨーロッパに渡り、セザンヌやキュビズム、フォーヴィズムに出会いました。
こうして独自の抽象表現を手に入れたアーサー・ダヴは友人アルフレッド・モーラーからアルフレッド・スティーグリッツを紹介してもらいます。
彼はフォト・セッションのための展示スペース「291ギャラリー」を開設した人物で、このギャラリーではロダン、マティス、ピカソ、セザンヌ、ロートレック、ピカビア、ブランクーシなどのヨーロッパ出身の作家やジョン・マリン、マースデン・ハートレー、マックス・ウェーバーなどのアメリカ出身の作家が個展を開催しています。
もちろんアーサー・ダヴも彼のサポートを受け、抽象絵画作品による個展を開催しています。
アーサー・ダヴは「抽象を自然からの抽出物である」と語り、太陽や雲、大地のエネルギーが生き生きと視覚化された作品を数多く制作しています。