イギリスの画家、詩人、銅版画職人として活躍し、イギリスロマンティシズムを代表する人物として知られています。
ロマンティシズムは19世紀前半に起こった芸術の潮流で、詩と絵画を通じてイギリスの歴史に大きく残る偉大な作家たちを生み出しており、ウィリアム・ブレイクはその中でも最も偉大な芸術家として高い評価を受けています。
靴下商人であった父親の3番目の子供として生まれたブレイクは父親からその才能を見込まれ、様々な教育を受けました。
その後、画学校に通うようになりますが、学校へ通う資金がなくなり、版画家ジェームズ・ベイジャーの弟子となって版画を学びました。
ベイシャーの銅版画のスタイルは時代遅れのものでしたが、そのおかげでブレイクは自らの絵画スタイルを築き上げる事ができました。
また、ベイシャーからは寺院で古碑の写しなどを作るように言われ、この時にブレイクのゴシック趣味が養われたといわれています。
その後、新しいレリーフ・エッチングの手法を発明し、この手法は絵の輪郭と文字がくっきりと浮かび上がるように印刷でき、水彩絵の具を用いて輪郭や内部、周辺などに彩色を施す事ができる画期的なものでした。
ブレイクの作品は宗教的傾向が強く、それは生涯変わる事はありませんでした。
その作品のほとんどが少年時代に見た幻想的な光景を描き出したもので、当時、ブレイク自身もこう公言していたため、人々からはあまり受け入れられなかったのですが、近年になって高い評価を得るようになった画家で、独創的な世界観が現在でも注目を浴びています。