19世紀~20世紀にかけて活躍したフランスの素朴派の画家です。
ちなみに素朴派とは、西欧の伝統的な美術知識の乏しさゆえの素朴な作風を意味する言葉です。
ルソーが画家として評価されるようになったのは亡くなってからで、子供が描いたような作風はルソーが生きている当時は稚拙だと酷評、嘲笑の的でした。
そんなルソーの作品を高く評価していたのはゴーギャン、ピサロ、ルノワール、ピカソで、特にピカソはルソーの才能に注目し、「ルソーを讃える夕べ」という会を詩人アポリネールと開いています。
ルソーは生涯画家として活動していたわけではなく、本業は税関の職員でした。
絵を描くようになったのは30歳になってからで、自分には絵の才能があると信じ、無審査出品制の美術展覧会アンデパンダン展に出品するようになります。
しかし、登場する人物は大概、真正面向きか真横向きで目鼻立ちは類型化しており、風景には遠近感がほとんどなく、樹木や草花は葉の1枚1枚が几帳面に描かれているが決して上手いとはいえない作風で、どんなに酷評されようと毎年出品を続けていました。
最終的には絵に専念するために22年間勤めた税関の仕事を辞めて、年金生活で画家としての活動を続けていました。
ルソーの作品は一目見れば、ルソーだと分かるほど他の画家たちとは違った作風や雰囲気を持っており、素朴な人柄だったルソーの純真や無邪気さが感じ取れる作品が多いのが特徴です。