イタリア・フィレンツェ郊外出身のイタリア人の画家・修道士です。
聖母像の画家として有名で、本名はグイード・ディ・ピエトロといいます。
フラ・アンジェリコとは「天使のような修道士」という意味を持ち、この呼び方は彼の死後に使われるようになりました。
また、同年代の人々からは「フィエーゾレの修道士ジョヴァンニ」を意味するフラ・ジョヴァンニ・ダ・フィエーゾレという名前でも知られていました。
敬虔なキリスト教徒で、最初はコルトーナのドミニコ会修道院に滞在し、教会用のフレスコ画を作成しました。
その後、フィエーゾレの修道院に移り、ここでも多くのフレスコ画と祭壇画を描きました。
フィレンツェのサン・マルコ修道院が出来ると、多くの修道士とともに移住し、フラ・アンジェリコの代表作と言っても過言ではない、「受胎告知」を制作しました。
ルネサンス美術の創始者・マザッチョの影響を強く受け、受胎告知を題材にした同じような構図で描かれた作品は数多く存在していましたが、保存状態が悪く、復元され、当時の輝きを取り戻しています。
生涯の大半を過ごしたサン・マルコ修道院は、現在ではサン・マルコ美術館として作品を公開しています。
晩年は、ローマ教皇エウゲニウス4世がサン・ピエトロ大聖堂の秘蹟の礼拝堂のフレスコ画を描かせるためにローマへ召致されたり、、ローマ教皇ニコラウス5世の要請でバチカン宮殿のニッコリーネ礼拝堂のフレスコ画を描いたり、フィエーゾレ修道院に戻り修道院長をつとめたりもしました。
晩年はローマのサンタ・マリア・ソーブラ・ミネルバ修道院で過ごし、そこで生涯を終えました。
1982年教皇ヨハネ・パウロ2世から福者の称号を与えられ、ベアート・アンジェリコと呼ばれたりもしています。