ピエール・クロソウスキーはフランス出身の小説家、画家、思想家、翻訳家として活躍しています。
しかしピエール・クロソウスキーは自身の事を「作家でも、思想家でも、哲学者でもない。偏執家とでも呼べるべき存在だ」と語っています。
ピエール・クロソウスキーはフランス・パリでポーランド貴族出身の父とロシア系ユダヤ人の母との間に生まれました。
両親ともに画家で、後にピカソが「20世紀最後の巨匠」と称えた実弟のバルテュスが生まれます。
それからおよそ7年後、第一次世界大戦が勃発すると一家はジュネーブに移住しました。
移住後は、詩人のリルケと親しく交際していた母の縁があってか、リルケの親友で作家のアンドレ・ジッドの秘書を務めながら勉強に励んでいたといわれています。
16歳くらいの時にリヨン大学で神学を学び、6年後には哲学者や作家、批評家などが参加していた団体コレージュド・ソシオロジーに参加しています。
また第二次大戦の終わりまで修道院生活を送っていますが後に放棄しています。
ピエール・クロソウスキーは小説家としてスタートするとその作品が賛否両論になったり最高傑作と評価されたり、ニーチェ会議や討論会に出席するなど活躍しています。
また映画「ロベルトは今夜」の原案も制作し、ピエール・クロソウスキー夫妻が主演を務めるなどしています。
小説の執筆活動を一通り終えると絵画制作の活動を生活の中心としていきます。
しかし独自の作風からか、依頼があっても断られたりすることもあったそうです。
また、ピエール・クロソウスキーはマルキ・ド・サドやフリードリヒ・ニーチェの研究者としても知られています。
自身の評論集「ニーチェと悪循環」にも表現されている独自の感性はフランスの現代哲学の第一人者であるジル・ドゥルーズにも影響を与えています。