ヒエロニムス・ボスはオランダのベルギー国境付近にあるス・ヘルトーヘンボスの画家一家に生まれたとされています。
独創的で創造を絶する世界感を感じる事の出来る作品を制作した事でも知られています。
ヒエロニムス・ボスはレオナルド・ダ・ヴィンチとほぼ同じ時代に主にフランドル地方で活動していたフランドル派の一人として活動していました。
また裕福な家の娘と結婚した事で、町の友愛団体である聖母マリア兄弟会に所属しており、名士としても活動していたといわれています。
ヒエロニムス・ボスの作品は「個性的で、宗教画などの肖像画を主に描いていたフランドル絵画である」と、ひとくくりには出来ないといわれています。
人間の本性的な罪悪などを独自の世界感、道徳観、宗教観で悪魔のような想像物を描き、社会を強烈に批判した作風で、地獄と怪物の画家とも呼ばれています。
また世界中で人気があり、研究や解釈も進んでおり、心理学者のカール・グスタフ・ユングはヒエロニムス・ボスの作品は「無意識の世界を暴く画家」といっている他、一部の研究者からは異教徒的思想との指摘もあります。
ヒエロニムス・ボスの作品はヨーロッパ各地から求められ多数制作していましたが、16世紀の宗教改革運動で偶像破壊のあおりを受けてほとんどが消滅してしまいました。
また、ヒエロニムス・ボスの作品でウィーン美術館に所蔵されている「最後の審判」をはじめ、一部の作品には補修や修復された箇所が確認されており、オリジナルの筆跡との判断が難しいようです。
その他にも多くの模写が確認されており、現在も帰属論争が続いている作品も多くあります。