キース・ヘリングはアメリカのペンシルバニア州出身の画家でストリートアートの先駆者と呼ばれています。
キース・ヘリングはアメリカのペンシルバニア州レディングにある都会の喧騒から少し離れた古き良きアメリカの雰囲気を持つ町のカッツタウンで育ち、父から漫画の描きかたを学びウォルト・ディズニーの影響も受けました。
高校卒業後にピッツバーグに引越し、商業美術学校のアイビースクールに入学しますがコマーシャルアーティスト志望ではないことに気付いて退学しました。
退学後アーツアンド・クラフツセンターで初の個展を開催し、それから約1年後にニューヨークに移り、スクールオブ・ビジュアルアーツでドローイング、記号論、パフォーマンスなど、幅広く学び、その頃に多くの作家と出会い影響を受けています。
キース・ヘリングは日本でも人気がありユニクロなどがキース・ヘリングの作品をプリントし販売しています。
キース・へリングは、ニューヨークの地下鉄構内で使用されていない広告掲示板に黒い紙を貼りチョークで描くという「サブウェイ・ドローイング」と呼ばれるグラフティー・アートを最初に手掛け、誰もが楽しめるコミカルでポップな落書きが評判となり国際的に知られるようになりました。
また公共空間で活動を行いマンハッタン、シドニー、リオデジャネイロ、パリなどの都市で壁画も制作しており、ベルリンの壁のチャーリー検問所の壁画が代表的です。
その後エイズと診断されてからはエイズ撲滅運動など社会貢献に尽力します。
その他にも彼の作品や考えを拡大、保護するためにキース・へリング財団を設立し、恵まれない子供たちやエイズ・HIVの教育・研究・医療従事者をサポートしています。
その後1990年に惜しまれながらも31歳という若さでエイズと戦いこの世を去ります。
キース・へリングの作風はシンプルな線と色で構成され、単純明快で奇天烈な形をしており、観覧者は「絵本を見ているように作品を理解する」といわれています。
また壁やキャンパスシートのサイズは気にせず、下絵なしで訂正、休憩、距離を置くこともなく1本の線で完成させます。
明るく見えるキース・ヘリングの作品にはエイズ、ドラッグ、人種差別など人間社会の闇との戦いも見ることができます。