ノーマン・ロックウェルは古き良きアメリカを軽いタッチで描いたアメリカを代表する画家でイラストレーターです。
その作風は近年ではインテリアの要素としても人気があります。
ノーマン・ロックウェルの祖先はイングランド系ですが、自身はニューヨーク生まれで両親共に画家として活動していました。
幼少期は痩せていて、内股で不格好だったといわれていましたが唯一、絵だけは自分の能力だと信じて努力を惜しみませんでした。
この頃の作品は自身とは違う活発な少年を描いていており、こうあってほしいという願いを絵に託していたようです。
ノーマン・ロックウェルは裕福な家庭に生まれながらも、ウエイターなどのアルバイトをこなしながら美術学校に通ううちに多くの素敵な指導者と出会うことができ、解剖学やイラストレーションの意味を少しずつ飲み込んでいきました。
美術学校を卒業後はボーイスカウトの雑誌などに絵を描き始め、後にサタデー・イブニング・ポストの表紙をほぼ休みなく描き続けることでゴルフにヨット、そして禁酒法時代には自分専用の密売ルートを持つなど楽しんでいました。
しかしモダンアートが流行すると自身の作品が古く感じるようになり、ポスト紙に採用されなくなると画家として悩み始め、作風を変化させました。
それは、これまでの少年を描く事から大人が少年時代を回想しているようなイメージになりましたが、後にポスト紙は休刊になっています。
ポスト紙が休刊になってからノーマン・ロックウェルが選んだ雑誌はルックでした。
多作で知られているノーマン・ロックウェルは生涯に2000点を超える作品を制作しており、作風としてはユーモラスな作品が多い中に、人種差別を主題にした社会性の強い作品もあります。
スタイルは写真家のように納得するまで写真を何枚も撮影し、解剖学のいかされた顔の表情を写真を見ながら細部まで描くなど鋭い観察力が感じられます。
また自分自身を押し通すのではなく顧客の要求に従っていたことにノーマン・ロックウェルのプロフェッショナルな部分として高く評価されています。