青森県出身の昭和~平成時代に活躍する日本の画家、彫刻家です。
世界的に評価されているポップアート作家として知られ、ニューヨーク近代美術館やロサンゼルス現代美術館に作品が所蔵されるなど、日本の現代美術の第二世代を代表する存在として活躍を見せています。
睨みつけるような目の女の子が印象的な作品を中心にドローイングやアクリル絵画による作品は世界中でも高く評価されています。
奈良美智は武蔵野美術大学に入学しましたが、1年で退学し、愛知県立芸術大学美術学部に入学し直し、大学院へと進みました。
その後、河合塾千種校美術研究所教員を経てドイツへ留学し、ドイツ国立デュッセルドルフ芸術アカデミーに入学し、ここではA.R.ペンク(本名ラルフ・ヴィンクラー)に師事しており、マイスターシュウラーを取得しています。
ちなみにA.R.ペンクはゲルマン的でユニークな具象的作品を展開しており、記号や数字、人物などが入り乱れる古代洞窟画を思わせるような独特のスタイルを展開しています。
奈良美智は日本には戻らず、ケルンの郊外にアトリエを構え、拠点として作品の制作に励んでいました。
そんなある日、ギャラリーユマニテに勤務していた土崎正彦に見出され、土崎正彦が独立する際に白土舎に移籍し、白土舎で作品の発表を行うようになりました。
ドイツから帰国すると栃木県を活動拠点とし、個展やグループ展を中心に作品を発表していきます。
中でも帰国後の翌年に開催された本格的な個展は横浜美術館をはじめ国内の5ヶ所を巡回したものでしたが、いずれの会場も驚異的な入場者数を記録します。
また、出身地である弘前市の吉井酒造煉瓦倉庫で行われた個展では4600名にのぼるボランティアにより運営されたもので、市民の主体的な関わりと参画の規模の大きさにおいて、展覧会の歴史上画期的なものとして注目を浴びました。
その後も国際的にも活躍を続け、アメリカ文化に貢献した外国出身者を称えるニューヨーク国際センター賞を受賞しています。