オランダ出身のイギリスヴィクトリア朝時代のフレデリック・レイトンと並んで外すことはできない画家です。
また、大理石を描かせたらその美しさは並ぶものはいないと言われています。
オランダの代表的な酪農の町レーワルデンで幼少期を過ごし、アントワープ・アカデミーで古代ローマについての知識を学び、芸術の道へと進むことを決心しました。
はじめてロンドンを訪れたときに大英博物館のエジプトの芸術品やギリシャの大理石彫刻に感銘を受け、興味を持つようになりました。
結婚したダデマは、新婚旅行でイタリアのポンペイ遺跡へ行き、素晴らしい建築物や調度品に心奪われ、滞在期間中は写真を撮り続け作品として古代ローマなどの歴史を題材にした絵画を多く制作し、ヴィクトリア朝時代らしく繊細な感受性や官能を理想化して描いた作品は国際的な人気を得ました。
普仏戦争の戦渦から免れるため、イギリスへ帰化し、ロンドンに定住するようになると、教え子を持つようになりました。
その中の一人と再婚し、病気で亡くした前妻との子供と幸せな家庭を築き、仕事も家庭も順風満帆に送っていきました。
徹底して古代ローマを研究し、建築物や衣裳を完全に再現し、モデルの顔をヴィクトリア朝風にするなど古代の生活を緻密で正確に描いた作品を多く手掛け、「建築の功績」という作品に対して、王立建築学会からゴールド・メダルが授与されました。
また、ロンドン社交界の花形の一つに数えられるアット・ホームズ会を催し、友人のフレデリック・レイトンや、ウェールズ皇太子、そして音楽好きのタデマ夫妻にふさわしく、ポーランドの有名ピアニストのイグナツィ・ヤン・パデレフスキや、チャイコフスキーが参加しています。