ラウル・デュフィは野獣派に分類されるフランス画家です。
色の魔術師と呼ばれ、フランスを代表する近代画家としても知られています。
ラウル・デュフィはフランスのノルマンディー地方のル・アーヴルという港町で9人兄弟の長男として生まれています。
金属会社の会計係で音楽愛好家の父と、ヴァイオリニストの母というアーティストとして才能が開花しやすそうな環境で育ちました。
後に家計を助ける為に14歳の時に貿易会社で働く事を決意し、サン・ジョセフ中学校を離れており、その後、ル・アーヴルとニューヨークを結ぶ定期船のラ・サヴォアで秘書をしていました。
18歳になるとル・アーヴル市立美術学校の夜間講座に通い始め、ずっと愛し続けたモチーフであるル・アーヴルの港をスケッチしていたそうです。
この時、利き腕で描くと筆が走り過ぎる事を懸念し、逆手で描いていたとされています。
また友人と共に美術館で巨匠たちの模写を行っていたそうです。
ラウル・デュフィは一年間の兵役を終えると、奨学金を得てパリの国立美術学校であるエコール・デ・ボザールで学び、印象主義の画家であるモネやゴーギャン、ゴッホ、ピサロなどに影響を受けたといわれています。
その後、リアリズムへの興味を失くし、フォービズムへと傾倒していきます。
ラウル・デュフィはその後、結婚し生活の為に木版画の制作をスタートしています。
また、結婚した翌年にフォービズムから離れ、ファッションの業界でもデザイナーとして活躍します。
その他にも、舞台デザインやイラストレーター兼アーティストとして活躍しています。
しばらくすると、再び絵画に取り組むようになり、光=色彩という独自の理論を確立させています。
後にヴェネチア・ビエンナーレで国際大賞を受賞していますが、その翌年、フランスのフォルカルキエにて心臓発作でこの世を去る事となりました。
そんなラウル・デュフィの作品は現在でも多くの人々に魅了しています。