北海沿岸の海岸リゾート地であるオーステンデ(オステンド)出身のベルギーの画家です。
ルネ・マグリット、ポール・デルヴォーと並びベルギー近代美術を代表する日本でも知名度が高い画家です。
観光客相手の土産物店を営んでいた家に生まれ、貝殻、民芸品、カーニバルの仮面などを扱っていました。
そんな環境下で育ったので、芸術家を志すようになり、ブリュッセルの王立絵画アカデミーに入学し、3年間学びました。
「仮面の画家」とも称され、仮面や怪物、骸骨といったグロテスクなモチーフを華麗な色彩で描いたものが有名ですが、制作当初はいわゆる「普通」といわれる作品を描いていました。
幼い頃、両親が営んでいた土産物店で見たカーニバルの仮面や東洋美術の能面や歌舞伎に「奇怪さ」を見出し、絵のモチーフとして取り入れるようになったといわれています。
生涯のほとんどを当時の美術の中心であったパリから遠く離れたオーステンデで過ごしていたにもかかわらず、20世紀の主要な美術運動であった表現主義やシュルレアリスムにも影響を与えていることから、20世紀美術の先駆者として高く評価されており、ベルギーでユーロ導入以前に発行されていた100フラン紙幣に肖像が使用されていました。