チャールズ・シーラーはフィラデルフィア出身で、後にニューヨークに拠点を置いて活動していた人工的な風景を得意としていた画家で写真家としても知られています。
チャールズ・シーラーはペンシルバニア・ファインアート・アカデミーなどで学び、その後、画家として活動しました。
画家として頭角を現しはじめた頃に経済的に自立するために写真に取り組みはじめ、工業写真家としてビルや住宅などの建築物を撮影し生計を立てており、関心の高かったシェーカー美術、建築などの細部を研究しながら写真撮影を行っていました。
この頃のチャールズ・シーラーの作品はフォルムや構図の正確さにこだわりながらも抽象派アートといわれる程に高い評価を受けていました。
ニューヨークに移ってからは有名な画家や写真家と多く知り合い親交を深め、ヴォーグ誌やフォード自動車工場の撮影などを行っていました。
また、この頃はニューヨークの摩天楼を多重露光やカメラを傾けたりする変わった遠近画法で数多く撮影を行った事や、映画「マンハッタン」も制作しています。
後に画家として成功すると写真は続けますが商業写真の活動を辞めて、撮影した写真をモチーフにすることで写真のクオリティーを持つ絵画制作に専念しました。
チャールズ・シーラーの作風は、プレシジョニズム(精密描写派)と呼ばれる写実的でありながら、直線的で平坦な構図と色面で人工的な都市の風景や工場などの建築物を表現している事に陶口調があります。