今回いわの美術がお買取り致しましたのは、徳富博之のハンドメイドパイプで2000年に作られた作品です。
元々木彫職人だった徳富博之は、作品制作の延長で1972年からパイプの製造を始めたのですが、海外で作られたブライヤーパイプを見てその美しさに魅了され本格的にパイプ製作をする為海外に渡りました。
徳富博之が向かった先は、1864年にコペンハーゲンの中心地で創業したラールセンと言われる工房です。
ラールセンで一週間研修をした徳富博之が次に向かったのは名門イヴァルソンの工房でした。
イヴァルソンにて本格的な修行を行い知識や技術力を身に着け、日本に帰国後パイプ製作を再開します。
しかし、日本ではまだ無名のパイプ作家だった徳富博之は、木彫職人の経験を生かして象牙彫刻で女性像を得意とする小針樹生に師事し、象牙作品で生計を立てていき象牙彫刻展では森村豊明会賞を受賞しています。
そして、自らの作品が海外で評価され自身の知名度が上がってきた頃本格的にパイプ製作を始め現在に至ります。
今回いわの美術でお買取りした徳富博之のパイプは、ハンドメイドで作られたブライヤー素材のパイプです。
ブライヤー素材のパイプは現在数多く作られていますが、誕生したのは19世紀頃と言われ、 それ以前は土製、素焼き製、木製、陶磁器製のパイプが作られていました。
ブライヤーとは、地中海の沿岸に自生するツツジ科エリカ属の植物で、スコットランドに多く咲くヒースに似た白い花を咲かせる事からホワイトヒースとも呼ばれています。
性質としては熱に強く、独特の木目が美しく、加工しやすい、軽くて丈夫という特徴からパイプに最適ともいえる素材として現在も数多く作られています。
パイプに使われるブライヤーは、50年以上経過した根瘤のみを使用し、使う場所によって木目が変わりますので見た目からも楽しめるパイプとなっています。
今回お買取りしたパイプは、縦にまっすぐ伸びる線が特徴のストレートグレインと呼ばれる木目が出ているお品物でした。
木には人間の血管と同じように水分を運ぶ導管と呼ばれるものがあり、もちろんブライヤーパイプで使われる根瘤にも導管は通っています。
木を切る事で導管が木目として現れますが、根瘤は地中で石や硬い地面に邪魔されながら育つ為ストレートグレインのような平行線が出る事はとても稀です。
また、真っ直ぐな線が均等に並び、かつ線の間が狭いものは出来る数が少ないので希少価値が高くなり高評価でのお買取りとなります。
樋口純一郎、有田静生、徳富博之、早船雅人
北原壱、杉山渥典、岡村幸男、佐藤純雄
柘製作所など
アンネ・ユリエ、イエス・コーノウィッチ
ヨーン・ミッケ、ラルス・イヴァルソン
シクステン・イヴァルソン、アン・イヴァルソン
ボーノルド、アルネ・ユング、ビョルン
ダンヒル、ポール・イルステッドなど
アメリカの先住民であるインディアンから伝わったパイプでの喫煙方法は、スペインやヨーロッパなどに広がり、その後海を越えて日本にも広まっていきました。
いわの美術では、現在世界各国で吸われているパイプの買取を行っております。
パイプの買取では作家や状態が重要となりますので、お電話やメール、LINEで詳細情報を頂けますと詳しく査定が可能となります。
また、遺品のパイプで詳しい詳細がわからないという場合は、メールやLINEでお品物のお写真をお撮り頂きお送り下さい。
その際、パイプ全体とメーカー名が書かれている刻印部分の鮮明なお写真を頂けますと詳しくお調べが可能です。
コレクションしていたパイプ、使っていたパイプ、遺品のパイプなどのご売却をお考えでしたら是非いわの美術までお問い合わせ下さい。
また、いわの美術ではパイプ以外にもパイプで使われるスタンドや象牙の吸口などの付属品から、お茶道具、絵画、掛軸、軍物、洋食器、アンティーク品、仏像、ブロンズ像など幅広くお買取りをしております。
お片付けやお引越し、遺品整理、コレクションの整理などでご処分をお考えのお品物などございましたら是非いわの美術までお問い合わせ下さい。