からくり細工の第一人者である亀井明夫による作品です。
幅の広い作風で知られていますが、こちらは伝統を重んじた秘密箱に、美しい女性が描かれています。
このようにアート性の高い作品ですので、付加価値が付いた査定をお出しいたしました。
亀井明夫は大阪に生まれ、京都大学の工学部に進んだ秀才です。
在学中に組木細工の魅力に囚われ、中退して山中組木工房に入社しました。
組木細工は山中組木工房の初代によって完成した技法であり、現在は5代まで技術が継承されています。
9年の修行を経て退社、からくり細工『安兵衛』を設立し、からくり箱において日本のみならず世界でも活躍することとなりました。
からくり創作研究会の創設メンバーであり、2011年からは会長も務め、後続の育成にも積極的に取り組んでいます。
亀井明夫は箱根の伝統工芸品である秘密箱を基本としつつ、型にとらわれない自由な発想で 形も開け方も様々な作品を作り出し、『からくり箱』と名付けました。
「大阪人だし、どこかでオチを付けて笑わせないとイカンと思っています。」
「次はいかにだまそうかと常に考えていますので、最近自分の性格が悪くなってきたのではないかと悩む昨今です。」
と発言するなど、大阪人の気質が奇想天外なからくり箱を生み出す原動力になっているかもしれません。
発想の幅が広く、真面目に取り組んだ伝統工芸品を始め、ユーモアを全開にした爆弾型やポップアップトースター型など、これまでに150点以上のからくり箱を生み出しました。
ちょっと遊び心がある芸術的なからくり箱は、持っているだけでわくわくしそうですね。