今回いわの美術がお買取りしましたお品物は津田信夫のブロンズ像です。
津田信夫は明治から昭和にかけて活躍した日本を代表する鋳金工芸作家で、出身は千葉県佐倉、佐倉藩の医師の子として生まれ、号は大寿といいます。
佐倉集成学校を卒業後、東京美術学校に入学し、鋳金を専攻しました。
そして東京美術学校を卒業し、2年後には母校で助教授となり、東京美術学校が公共事業として注文を受けた日比谷公園噴水、日本橋の装飾など公共施設の鋳造を多く手がけ、都市作りに貢献しました。
その功績が讃えられ、東京美術学校の教授に昇格し、その後、金工の研究のため、文部省より命令を受け、ヨーロッパへ留学します。
フランス、イタリア、ドイツなどを回り、当時流行していたアール・デコを学び、1925年のパリ万国博覧会では日本代表として審査員を務めました。
津田信夫は、パリ万国博覧会で各国の芸術の文化が日本よりはるかに進歩している事を実感し、衝撃を受けます。
このままじゃ日本の芸術文化が遅れをとってしまうと思った津田信夫は、ヨーロッパの芸術文化を日本に持ち帰り、若い工芸家たちに伝え、日本に大きな影響を与えました。
その後、帝国議会の装飾を任されるなど様々な作品を製作し、工芸品を美術品と認めてもらえるように働きかけ、金工作家として多くの功績を残します。
今回の作品は鳩の一双の作品で、号の大寿と銘が彫られていました。
世界で多く見られる鳩をモチーフとし、今にも動き出しそうな作品になっています。
鳩は、様々な国で平和の象徴とも伝えられていて、とても縁起のいいお品物だと言えます。
ブロンズで作られたお品物で、汚れとキズが目立ちましたが、津田信夫の作品という事もあって、高評価にてお買取り致しました。
いわの美術では様々な品物を世の中に送り出し、鋳金工芸作家として有名な津田信夫の作品の買取りを行なっています。
津田信夫の作品では他にも、今にも飛び立ちそうな作品のオウム、元気よく跳んでいる姿が目に浮かぶ作品のカンガルーなどの代表作もお買取り致します。
また、鋳金で人間国宝にも選ばれた高村豊周や、鋳金工芸作家で歌人の香取秀真の作品なども買取りを行なっております。 引っ越しなどで処分にお困りのお品物などございましたら是非一度いわの美術までお問い合わせください。