今回、いわの美術がお買取りしたお品物は、旧日本陸軍の指揮刀拵えです。
階級により背金の彫物の面積が異なっている事が特徴で、全体に彫物がされていたため佐官用の指揮刀拵えである事が分かります。
外装は西洋のサーベル式となっていますが、中身は日本刀を仕込んでいるのがこの当時の軍刀の特徴です。
そのため、柄は鮫皮巻きで切羽などは日本独特の刀装具の面影を見せております。
また、柄には反時計回りの三つ巴の紋がありました。
今回は、刃のつけられていない模擬刀身仕込みの儀礼用のものでした。
戦闘用になると刃が付いていますので、買取る際には登録証が必要になってきます。
この登録証は管轄の教育委員会で発行してもらえますが、初めて発見した場合、発見届を警察に提出しなければなりません。
非常に手間はかかりますが、刃のついた軍刀の売買には登録証がないと行えない決まりとなっていますので、ご売却をお考えの際は、事前に登録証の用意をお願い致します。
ちなみに今回のように模造刀の場合、登録証は必要ありません。
また、軍刀は戦闘や指揮時の装備品、正装・礼装や儀仗時の服飾用として使用されるもので、准士官以上の物が私物として所持する事が一般的でした。
例外としては騎兵や憲兵などでは官給品という扱いで支給され、士官以外の兵・下士官も所持する事もあり、階級が高い人が所持していた軍刀の方が買取額も高くなります。
また、保管状態も重要な査定ポイントで、錆びや汚れ、破損が少ない方が買取額は高くなります。