今回、いわの美術がお買取したお品物は、ガラス工芸作家・黒木国昭のガラスの花瓶です。
黒木国昭はガラス工芸の分野では初めて「現代の名工」に選ばれた事で知られており、西洋で美術品として発展したガラス工芸に日本人の感性を加え、ガラスで花鳥風月を豪華絢爛に表現し、まるで絵画のような作品を展開しています。
黒木国昭は、重ね合せた色ガラスの内側から研磨して精妙な色調を施す技法「内彫り」、ガラスの層に蒔絵を挿みこむ技法「積層板ガラス」、金やプラチナ箔を散らした豪華絢爛な「琳派」など実に多くのオリジナルの技法を生み出し、魅力ある作品を作り続けてきました。
また、葛飾北斎、歌川広重などの江戸時代に活躍した絵師の影響を受けた作品や薩摩切子の伝統的な技法をさらに高度な技術として発展させた「綾切子」など日本の美意識をガラス工芸品で表現する事に力を注ぐ一方で、アール・ヌーボーの先駆者であるガレやドームといったガラス工芸作家の様式を融合させた作品を展開し、国内のみならず、海外からも注目を浴びている日本を代表するガラス工芸作家として活躍しています。
さて、世界的にも有名な黒木国昭の作品の買取を行ったのですが、お買取したお品物は金箔を使用し独特の造形にフロストガラスを被せ、奥行を出し、まるでクリオネのような生命体として活力を感じる作品でした。
傷や汚れなど大きく目立つようなマイナス要素はございませんでしたが、残念ながら作品を収納する共箱は処分してしまったそうで、そこが大きく評価がマイナスとなってしまいましたが、それでも人気の黒木国昭の作品という事でしたので、高価買取で対応致しました。