創作人形作家の稲邊智津子による市松人形です。
あどけなく優しい眼差し、手足の表情が素晴らしく、髪で隠れる耳でさえ人形とは思えない柔らかな肌を感じさせます。
愛らしく見ているだけで癒やされる魅力がありますね。
北海道出身の稲邊智津子は、日本創作人形学院にて人形制作を学び、日本創作人形協会展(1987年)においてグランプリを獲得するなど、人形界を牽引するほどの実力を付けました。
活躍は日本だけにとどまらず、アメリカのSANTA FE DOLL SHOW(1998年)においてブルーリボン賞を受賞、ローマ教皇ベネディクト16世に作品 『ひかり』を献上(2011年)など、海外でも知名度を上げています。
教育にも力を入れており、母校の日本創作人形学院本部にて教授を務めました。
現在は人形のまち埼玉県岩槻市に住み、創作人形教室『DOLL EXPRESS』主宰し、個展・企画展など積極的に活動しています。
稲邊智津子の作品の中で特に人気が高いのは、うさぎの被り物を付けたままうたた寝する和服の女の子が可愛い市松人形/創作人形『夢うさぎ』です。
愛らしさ溢れる稲邊智津子の創作人形は中古市場でも需要が高く、今後の作品も期待されます。
現代では昔ながらの市松人形やビスクドールの他、新しい技法を加えた創作人形というジャンルが主流になり多様化してきています。
その創作人形で今最も熱いのは、様々なポーズを取ることが可能である球体関節人形です。
四谷シモンによって1978年に球体関節人形を制作指導する学校が開校されました。
2010年代には公募展も開催されるようになり、球体関節人形の独特の空気感は多くの人を魅了します。
そして2017年に大々的に報道された生き人形作家・堀佳子の不可解な詐欺疑惑は、奇しくも堀佳子の作品や球体関節人形というジャンルの存在を世間に広く知らせることとなりました。
生々しく耽美で怖い印象が多い球体関節人形は、まさに現代アートの極みであり日々進化を続けています。
四谷シモン | 球体関節 | 俳優でもあり、球体関節人形の学校の創設者。男性ドールを中心にエロス漂う作風。 |
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堀佳子 | 球体関節 | 独特の生命感から『生き人形』と呼ばれ、魔力すら感じると言われている。詐欺の罪で懲役5年の判決(2019年)。 |
天野可淡 | 球体関節 | 球体関節人形を広めた一人であり、交通事故にて37歳の若さで夭折。呪術的なまでの魅力は「カタンドール」と呼ばれ伝説級の人気。 |
陽月 | 球体関節 | 正統的な少女人形の他、ヴァンパイアやエロティックで妖艶な幻獣など、独特の世界観。 |
恋月姫 | 球体関節 | 突出したカリスマ性を放つ孤高の存在。 |
清水真理 | 球体関節 | 映像制作など幅広く活動するアーティスト。体に穴が空いていてその中に別の人形がいる作品が特徴的。 |
摩有 Mayu`s doll | 球体関節 | 少女の持つ純真さや残酷さ、憂いを帯びたエロスが漂う。 |
佐藤美穂 | 球体関節 ビスクドール | エロスはなく、清廉で透明感のある美しさ。 |
森馨 | 球体関節 ぬいぐるみ | 妖しい美しさ、哀しいエロス、そして闇の色香が漂う。 |
山吉由利子 | 球体関節 ビスクドール | ノスタルジックで独特の愛らしさが際立つ。 |
エーコー | 球体関節 | 女の子の創作人形。 |
稲邊智津子 | 市松人形 創作人形 | 愛らしい市松人形が人気。 |
阿部肥 | 市松人形 | 日本人ならではの繊細な美を感じさせ、深く温かい思いが伝わる。 |
三輪輝子 | 市松人形 ビスクドール | 創作ビスクドールの先駆者であり、純粋で美しく上品。 |
田端愛子 | 市松人形 | 市松人形の中では珍しい男の子も制作。 |
遠方彼方 | 市松人形 | 文学や絵画に造詣が深く、独特の世界観のある人形。 |
松浦加代子 | 市松人形 紙粘土人形 | 独学で紙粘土人形を制作。 |
人形工房の工房朋 | 市松人形 | 森重春幸が十数名のスタッフと共に制作する工房。 |
若月まり子 | ビスクドール 創作人形 | 妖精人形やエンジェル、童話のプリンセスの人形など。四谷シモンの生徒。 |
岡馬勲 | ビスクドール 球体関節 | リアルで透明感があり、気品に溢れたオリジナル・ビスクドール。 |
碓氷東子 | ビスクドール | 人形という概念を超えた作品。 |
森下ことり | ビスクドール | ふわふわした『可愛い』が表現されたオリジナル・ビスクドール。 |
美夜花りり | ビスクドール | 幻想的で清楚な、心ときめくノスタルジー。 |
因間りか | 創作ビスクドール | 人形を引き立てるこだわりのコスチューム。 |
秋山まほこ | ビスクドール 球体関節 | 印象的な瞳の少女人形。 |