今回、いわの美術がお買取りしたお品物は彫金四君子紋花器です。 純銀製で出来た花器で、大分県出身の彫金家・河村清司の作品です。
彫金とは金属を彫る事を意味しており、鏨やヤスリ等を用いて面に模様・図案・文字などを入れていく技術です。
今回は純銀製でしたが、彫金はプラチナ、金、銅、真鍮、鉄、アルミ、錫などの金属でも行われます。
お買取りした花器は四君子紋という中国では吉兆紋として扱われている縁起の良い文様が彫り込まれており、高潔で気品がある4つの植物「蘭」「竹」「梅」「菊」を組み合わせた文様で、春は「蘭」、夏は「竹」、秋は「菊」、冬は「梅」と四季を表しています。
四君子紋は、どれか一つでも文様が欠けると四君子紋と呼ぶことが出来ず、お買取りした四君子紋花器には4面にそれぞれの草花が彫り込まれていました。
花器の底面裏には作者である河村清司が彫った事を示す「清司刻」と丸越印が刻まれており、共箱付でお買取りを致しました。
純銀製の製品は美術的価値の他にも銀そのものの価値も買取額に影響してきます。
お買取りした四君子紋花器は重さが1160gあり、美術的価値と銀の重さから買取額を提示させて頂きました。
また、銀の純度が高いと黒く変色してしまいます。
毎日磨いていれば変色する事はないのですが、銀の性質上、空気に触れると硫化するため黒ずんでしまうのです。
薬剤などで綺麗にする事はできますが、買取する前に綺麗にしておく必要はございません。
仮に綺麗にする作業を行い、破損が出てしまいますとその分がマイナス評価となってしまいます。
お買取りした四君子紋花器は手入れをしっかりと行っていたようで、黒ずみも見られずとても良い状態でお買取りさせて頂きました。