今回いわの美術がお買取致しましたのは、重要無形文化財「彩釉磁器」の保持者(人間国宝)三代徳田八十吉の碧彩釉 壷です。
三代徳田八十吉(正彦)は、祖父である初代八十吉から古九谷釉薬を、父 二代八十吉から、富本憲吉直伝の現代陶芸を学びました。
三代徳田八十吉は、「自分の上の世代の作風をまねしたくない。僕は僕の作品を作る」と、伝統的な九谷焼の色絵技法の研究を重ね、代々伝わる古九谷五彩のうち、ガラス質となる釉薬ではない赤を除いた紺青、紫、緑、黄の4色の釉薬から50~70以上もの中間色を創り出し、独自のグラデーション表現による彩釉磁器「耀彩」の焼成に成功しました。
その絵付け焼成は、ガラス化した釉の中に色彩、輝きを閉じ込めるため、通常の九谷焼の上絵付の温度をはるかに超える1040度を中心に設定された高温で行われます。
三代徳田八十吉が編み出した色鮮やかな彩釉磁器による新しい表現が、現代陶芸に新しい局面を拓くものとして現代陶芸界からも注目されることとなり、国内のみならず、エジプトやフランス、ロシア、アメリカなどの海外展でも高い評価を得ました。
三代徳田八十吉の彩釉磁器作品の見どころは、伝統的な九谷の色釉を基礎に独自の工夫を加え、色釉の濃淡の微妙な変化、色彩の対比、色彩の交錯する美しさを現代的な感覚で表現した点であり、今回お買取の三代徳田八十吉の碧彩釉の壷は、その個性が確かに息づいた深みと鮮やかさがある釉薬で、気品溢れる作品となっています。釉薬で色彩を調整された鮮やかな群青色の輝きが美しく、鏡のように周りの景色が写り込むほど綺麗です。
釉薬の流れも非常に流麗で、作品を上からみると、ほぼ三角形に釉薬が流れ絶妙なバランスを保っています。
壷の口の内側まで釉薬が施され、肩の丸みも美しく、ヒビのようにみえる貫入も相まって美しさを高めています。
お買取した作品は、三代徳田八十吉の耀彩の特性をよく表した素晴らしい逸品で、高価買取にてお譲りいただきました。
いわの美術では、これまで多くの徳田八十吉作品の買取実績がございます。三代八十吉作品だけでなく、初代、二代、当代の四代の作品も作品により、高価買取致しております。ご売却予定の徳田八十吉の作品がございましたら、買取査定無料のいわの美術に是非ご相談ください。