今回、いわの美術がお買取しましたのは、重要無形文化財「色絵磁器」にも認定された、いわゆる人間国宝である十四代今泉今右衛門作の三果文ぐい呑です。
有田焼の窯元 今泉今右衛門は世襲の名跡で、十一代、十二代にて色鍋島の技法を復興し、その色絵磁器は、江戸期の「色鍋島」の伝統と高い品格を伝える「現代の色鍋島」として知られます。そして、十三代今泉今右衛門は、伝統的な色鍋島の装飾技法に加え、「吹墨」「薄墨」「吹重ね」という独創的な作風を創出し、重要無形文化財「色絵磁器」の保持者(人間国宝)に認定され、日本陶芸界に多大なる技術的功績を残しました。
今回買取の十四代今泉今右衛門の色絵磁器の特徴としては、伝統的な色鍋島の技法を中心としながら、江戸時代から鍋島焼に用いられている「墨はじき」を発展させた技法があげられます。
十四代今泉今右衛門は、墨はじきの技法を駆使するとともに、上絵付にプラチナを施して変幻的な白金色を輝かせる「プラチナ彩」を導入するなど、色絵磁器の表現に新たなる表現を築き、その功績が認められ、陶芸家としては最年少で人間国宝に認定されました。
今回お買取させていただいた十四代今泉今右衛門の作品は、三果文という三つのありがたい果実の文様のぐい呑です。 邪気をはらい延命長寿を授けるという桃、子孫繁栄のざくろ、仏の手のような形から運や福を呼ぶといわれる仏手柑が美しく描かれ、また、墨はじきの技法を用いた白抜き部分も美しい上品な作品です。
三果文の華やかさと、墨はじきの落ち着きある色合いが、伝統的でありつつも現代感覚溢れる味わいを醸し出している素晴らしい作品をお買取させていただきました。
いわの美術では、年間多くの今泉今右衛門の作品買取を行っていますが、2014年に人間国宝に認定された今回買取の十四代今泉今右衛門の作品買取を積極的に行っています。また、端正で流麗な造形、安定した色調、精緻な文様の斬新さで定評のある十三代今泉今右衛門(人間国宝)も、高価買取致しております。買取査定は無料で行っておりますので、ご売却をお考えの今泉今右衛門の作品がございましたら、是非いわの美術までご連絡ください。