今回いわの美術が買取ったのは小島功の「まゆだま」です。
黄桜のメインキャラクター「女河童」や、下呂温泉のポスターを手がけたことが主要な仕事なのですが新聞や電車の中吊り、テレビCMで見たことがある方も多いのではないでしょうか。
こじま・いさお、と読んでしまいがちなのですが、こじま・こお、と読みます。
姪の安野モヨ子氏も、現代の荒波を生きるパワフルな女性の本音を描く漫画家として活躍しています。
清水崑より「女河童」を引き継ぐという深い縁のあった小島功は、鎌倉の荏柄天神社の奥にそびえたつ『かっぱ筆塚』にも、その名を寄せています。
荏柄天神社の筆供養、絵筆塚祭は毎年10月の第一日曜か第二日曜に行われるため、お片付けの後に供養されたい筆を持ってお出かけされると楽しめるかもしれません。
参列の漫画家が永年愛用した古筆を寄せ書きとともに焚きあげる、とのことで、肉筆の漫画家の絵をお目にかかれそうですね。
さて本題にもどりまして小島功の漫画作品の代表はエロチックナンセンス漫画の古典的名作「ヒゲとボイン」、「仙人部落」「おシャカ坊主列伝」などがあり、今ではこれらの作品を電子書籍で楽しむことができます。
「おシャカ坊主列伝」において小島は社会のルールやしがらみに四苦八苦しながらも頑張る男女の姿をテンポよく描いています。
里中満智子は「ヒゲとボイン」へのコメントにて『「ヒゲ」は、組織のしがらみから解放された男性の象徴であり「ボイン」はまさしく、堂々と胸をはる女性の生き方の象徴だった。
小島先生の描かれる「ヒゲとボイン」の世界の男女は「明るく洒落た大人のつきあい方」を獲得した成熟の香りをただよわせている。』という言葉を寄せています。
成熟の香りとは…意味深ですね。ちなみにいわの美術では熟成の薫り高いウイスキーやコニャック・お酒の買取も行っております。
いわの美術が買取ったこちらの作品には、確かな小島功のサインと落款に加え、しなやかな描線で描かれた女河童が子河童と仲睦まじくふれあう様子が描かれております。
豊満な乳房とキュッと締まったウエスト、長い手足、強い流れをたたえた瞳が最大の持ち味の小島の描き口が生きており、この作品には女性を描くことを知り尽くした小島功ならではの「母性」もしっかりと受け止められています。
女性を線のみで描き切ったオリジナリティー、直接的な表現をしなくてもみずみずしく伝わるエロティックな場面の空気を最大限に引き出せる漫画家が、小島功の後にも先にも出てくるかどうかは未知の領域です。
小島功の色紙、版画、生原稿は人気があり、その作品世界は大人のあそびの世界と子供たちの文化のコントラストがはっきりと感じられる昭和の空気感を「聞く」にはもってこいの作家といえましょう。小島功の作品を買取りご希望の際は、ぜひとも小島功のサイン・落款、作品全体のお写真を無料オンライン査定にご投稿くださいませ。
ユーモアに満ち、温泉街と縁のあった小島功は「昭和40年代頃のことについて、あの頃はよく熱海の「おとぎ荘」って旅館に缶詰めになってたな。怪しい部屋のある古い旅館だよ。
で、一日に3枚くらい表紙絵をバーって描くんだよね。で、夜は芸者さんが来てけっこう遊んだな。」と「11PM」(イレブンピーエム)というお色気バラエティショーに出演していた全盛期について振り返った言葉を遺しています。横山隆一、手塚治とも交友があり、生前にスタッフと使用していた公式ツイッターアカウントにその思い出の話や当時の写真を投稿しています。
いわの美術では幅広く買取を行っておりますので、お心当たりの版画の額、お茶の道具、美術品などご相談を随時お受けしております。
作品のお写真をそえたメール、お電話にてお気軽にいわの美術へお問い合わせくださいませ。