今回いわの美術では、葛飾北斎の富嶽三十六景『東海道金谷ノ不二』をお買取り致しました。
1760年に現在の墨田区あたりで生まれた葛飾北斎は、4歳で鏡磨師の元に養子に出されますが、幼い頃から手先が器用で写生を好んで描いていた事から、養子元の家を実子に任せて貸本屋や木版師の所に弟子入りします。
この時貸本屋でみた絵本に関心を持ち、画家になる事を志し19歳で浮世絵師の勝川春章に弟子入り後、様々な画法を学びました。
浮世絵師の勝川春章に弟子入りしてから1年後、「瀬川菊之丞 正宗娘おれん」という役者絵でデビューを果たします。
1795年から北斎宗理という号で作品制作を始め、1805年には多くの人が知っている葛飾北斎という号を使用するようになりました。
その後日本の様々な場所へ旅に出ては作品を描き、代表作の北斎漫画や富嶽三十六景、富嶽百景など多数の作品を残しました。
その後も作品を描く力は衰えを知らず、90歳で亡くなるまで数多くの作品を描き続けた結果、生涯で3万点もの作品を製作しました。
葛飾北斎 富嶽三十六景 『東海道金谷ノ不二』 加藤版画研究所
今回いわの美術では加藤版画研究所から出版された葛飾北斎の富嶽三十六景 46枚の中の1枚『東海道金谷ノ不二』をお買取り致しました。
『東海道金谷ノ不二』では、東海道最大の難所と言われている大井川で人が渡っている風景を描いています。
「箱根八里は馬でも越すが 越すに越されぬ大井川」と読まれたように、江戸時代の大井川はとても流れが速く人が歩いて渡れる川ではありませんでした。
これほどの川となると橋をかけるのが普通なのですが、幕府の政治的・軍事的圧力のせいで橋をかけることも船を出す事もできなかったそうです。
その為、橋のない川で人を川に渡す事を職業とした川越し人足という人達が活躍されました。
こちらの『東海道金谷ノ不二』という作品でも、川越し人足が肩車や連台と呼ばれる台に人や荷物を乗せて運んでいる様子が描かれています。
今回お買取りした富嶽三十六景は、46枚全て揃っている状態でお買取り致しました。
版画集などは、作品の状態以外にも枚数が全て揃っている完品の状態ですと高価買取が期待出来ます。
弊社いわの美術では、葛飾北斎の作品をお買取り致します
額縁で飾られていた作品や、版画集、冊子で葛飾北斎の作品をご売却お考えでしたら、是非いわの美術までご相談下さい。
歌川貞秀・勝川春英・歌川豊国・歌川国芳・豊原国周・歌川広重
月岡耕漁・河鍋暁斎・松井慶仲・月岡芳年などなど