こちらの作品はいわの美術でお買取りした、イギリス現代アートで有名なマッケンジー・ソープによるリトグラフ『愛ってどこにでもあるんだよ』(Love is Everywhere) です。
丸顔の大きな頭の子供 (通称 ビッグヘッド) とぷっくり膨らんだキュートなハートでほのぼのさせられる作品ですが、マッケンジー・ソープは「作品をさらに深く観てほしい」と言います。
愛らしいで終わらせるのではなく、子供達に今自分たちがもたらしていることを考えて欲しいと強い願いを込めて作品を制作しているそうです。
マッケンジー・ソープは北イングランドの産業の町で労働階級の家庭で生まれ育ちました。
祖父と父親が失読症であったようで、それはマッケンジー・ソープにも受け継がれ、学校では怠け者で愚か者だとからかわれるなど周囲の理解は得られませんでした。
11歳の時に映画『炎のゴッホ Lust for Life』を観て、子供時代に周りからからかわれているゴッホは自分の境遇と重なり共感します。
辛い状況でもマッケンジー・ソープは絵を描くことに光を見い出し、自分の世界に入ることができました。
「絵があったから僕は生きてこれた」と後に語っています。
常に描く為の材料を探していたそうで、紙としてタバコの空箱を入手しては包装をきれいに剥がして伸ばしたり、彩色の為にアイシャドウや口紅を母親の化粧ポーチからこっそり拝借したりしていました。
15歳の時、失読症により何の資格のないまま学校を出ることとなり、望まない仕事をこなす日々を過ごします。
ある日、友人の勧めにより勇気づけられ美術大学に挑戦することになり、間違いだらけの願書と明らかに経験のないエッセイであったにもかかわらず、何千もの作品そしてマッケンジー・ソープ自身の情熱が認められ入学することができました。
このことから絵画の道に進むこととなり、後にエリザベス女王の即位60周年記念の作品制作するなど、イギリスを代表するアーティストとなります。
イギリスに留まらず世界的な画家として成功し、日本でも2018年に星槎大学の客員教授に就任しました。
自身の経験を踏まえ、失読症やその他全ての子供達へのサポートやチャリティーも熱心に行っています。
マッケンジー・ソープの作品の制作の原動力は意外にも『怒り』だそうです。
今の子供達が置かれている環境への怒りであり、その根底には深い愛があります。
マッケンジー・ソープの作品は大きく分けると明るい絵と暗い絵に二分できますが、その両方に明暗を含んでいるそうです。
愛溢れる作品の中に僅かな闇があったり、人類の回避できない絶望やうわべの無益なものを描いた作品には微かな希望があったりします。
『喜びと悲しみ』『愛と孤独』『生と死』という両極を描きながら、全ての人にエールを送っているそうです。
愛は全てを克服できると強く信じ、作品がそれを証明していることが伝わってきます。
いわの美術ではマッケンジー・ソープの作品を買取強化中です。
マッケンジー・ソープはパステル画を最も好んでいる他、水彩画も描いています。
作品はシルクスクリーン、ジクレー、ミクスドメディアでも制作されていて、これらのお買取りはシリアル番号が重要です。
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