あの長渕剛が描いた作品です。
熱狂的なファンが多い歌手ですが、絵画・書道でも才能を見せています。
絵と書を組み合わせた『詩画』(しいが)というジャンルで、躍動感溢れる絵と情熱が込もった文字は長渕剛イズム全開です。
人生にもがき続け、信じる仲間、裏切りなど綺麗事では済まされない人生を純粋に歌い続けたシンガーソングライターではないでしょうか。
良くも悪くも情熱的で不器用な面があり、またそこが魅力です。
長渕剛は、24歳の時にトップアイドルの石野真子と結婚しますが、長渕剛のDVが原因で離婚したと言われています。
その後 歌でのヒットに恵まれず俳優業に活路を見出し、暴力的でへたれでロマンチックな男、という役柄を好演し人気を博しました。
共演者の志穂美悦子と結婚し、またDVを行ってしまいますが、結果的には極真空手の有段者である志穂美悦子のほうが上手だったようです。
結婚の翌年1988年 自身の歌『乾杯』に注目が集まり再リリースで大ヒット、『とんぼ』はミリオンセラーとなり絶頂期を迎えました。
特に『乾杯』は卒業式や結婚式で人気の歌となり、音楽の教科書にも掲載されます。
飛ぶ鳥を落とす勢いであった長渕剛は、国生さゆりとの不倫問題ではマスコミに「俺、一般常識の通用するようなところにいないから」と言い放つ伝説を残しました。
しかし1995年に大麻使用により逮捕、不起訴処分にはなりますが使用を認めたことにより多くのファンを失います。
その後も暴行問題で元マネージャーからの訴訟、冨永愛との不倫疑惑など何かと騒動が多い芸能人です。
それでも心酔しているファンは少なくなく、芸能界から消えることはありませんでした。
栄華からの転落、自分の弱さ、そこからの這い上がりを歌に込めているそうで、益々深みを増しています。
男が憧れる男、人間味の溢れる個性、長渕剛は唯一無二の存在です。
絵画は逮捕の翌年頃から小動物や静物など身近なものを書き始め、次第に仏の世界や心の世界にまで広がって行ったそうです。
書道は家の壁が白いことが気に入らなくて壁や天井に文字を描いた所、友人達に好評であったことから、絵と組み合わせた詩画に本格的に取り組みことになります。
1999年に初の詩画展を東京銀座日動画廊にて開催、5日間で2.7万人が来場し、シルクスクリーン250点(各100枚)と5千部の詩画集を完売しました。
翌年の詩画展では3万人を動員し、利益から2000万円を阪神淡路大震災で親を失った子供達に寄付しています。
2004年は鹿児島、2005年は福岡において詩画展『情熱』を開催、2013年には『詩画展 2013 殺気 黒い血が流れる』を全国ツアーにて開催、最新の詩画展は2015年でした。
長渕剛の詩画はパッと浮かんだ瞬間に、サッと絵と言葉で表すそうで、制作は非常にスピーディです。
命や人生、阪神淡路大震災、東日本大震災、母親の死への思想から生まれた作品もあり、烈火のごとく熱いメッセージや、家族に向けた可愛らしい作品まで、ファンでなくとも惹きつけられる魅力があります。
この数年は詩画展もなく新たに詩画を入手できないので、ファンの間のみならず中古市場でも需要が高い作家です。