こちらは群馬県でお買取りさせて頂きました、大野麥風(大野麦風)の掛軸です。
作者の大野麥風は元々洋画の研究を行っており、洋画の画技を習得しましたが浮世絵などに興味を持っていたこともあり、その後日本画に転向し、文展や帝展などで活躍されました。
作品は魚の絵です。大野麥風の描く緻密で色鮮やかな魚の姿は見るものを引き込み、大野麥風は「魚の画家」と言われました。
大野麥風といえば版画『大日本魚類画集』の原画を担当したことで有名です。
「原色木版二百度手摺」のキャッチフレーズで500部限定で配布されたこの画集はとても版画とは思えないほどの出来で、鱗の細やかな模様、生息環境までも正確に描き、色鮮やかに活き活きと描写されました。
この画集がよく知られていることもあり、日本画作品よりも版画作品の方が国内外で高い評価を受けているという特殊な画家でもあります。