今回、いわの美術がお買取したお品物は木村武山の掛軸「聖観音」です。
木村武山は明治から昭和初期にかけて活躍した日本画家で横山大観、下村観山、菱田春草らと共に、岡倉天心のもとで日本画の近代化に努めた実力者です。
初期の頃は歴史画や歴史人物画を手掛けていましたが、四季風景や花鳥画、仏画などを多く手掛けるようになりました。
仏画に関しては脳内出血を起こしてから利き手である右手が麻痺してしまい、左手で描いてる事が多く、「左武山」と呼ばれていました。
どの作品も優れた色彩感覚を持って描かれており、写実的な描写力は現在でも高く評価されている作家です。
お買取した掛軸は神奈川県三浦市の方から宅配買取させて頂いたお品物で、紺に染めた絹本に金泥などを使った一風変わった掛軸です。
軸先も豪華な金軸を使っており、金軸は経文、仏画なども用いられる事が多い軸先になります。
掛軸の軸先は作品に合わせて金軸、塗り軸、象牙、黒檀、紫檀、白壇、樹脂、プラスチックと分かれており、象牙や黒檀などが使われているとその部分も評価して買取を行っております。
お買取した掛軸は、極めて状態も良く、共箱付での買取でしたので高価買取で対応させて頂きました。