こちらのお写真のお品物は、以前いわの美術が宅配買取で買取らせて頂いたお品物で、輪島塗の硯箱です。
輪島塗の蒔絵師・浜高悦朗により制作された硯箱で、共箱もご一緒になっており、その共箱には「かにえ図」と書かれていました。
平仮名で表記されると何の事を言っているのか一瞬迷いますが、硯箱には蟹の絵が描かれており、描かれている蟹の特徴から石川県の隣の福井県で水揚げされる越前がにの姿にも見えます。
ちなみに越前がにとは、福井県で水揚げされるズワイガニの雄だけが呼ばれている名称です。
作者の浜高悦朗は中古市場でも良く見かける名前で、数々の受賞歴を持ち、天皇陛下全国植樹祭で石川県に御来県の折、国際ホテル社主の依頼により色紙筥の制作を行っており、その実力が認められている蒔絵師です。
その丁寧な仕事ぶりが人気で、硯箱以外の書道具であれば硯屏を、その他には香炉、花器、座卓、飾り棚など非常に多くの作品を手掛けています。
今回、お買取した硯箱は硯、墨、水滴、筆などを納める書道具ですが、小物入れとしても使用する人もいる人気のお品物です。
ほとんど使用していなかったようで、目立つような傷や汚れ、漆の剥がれなどもなく、高価買取で対応致しました。
輪島塗は堅牢な漆器として知られ、大切に使えば100年以上は持つと言われており、親から子へ、子から孫へと親子3代で受け継ぐことができます。
1つの輪島塗を作り上げるのに124にも及ぶ工程を全て手作業で行っているため、中古市場でも人気の高いお品物で、その理由としては新品で購入するにも金額が高く、新品で購入するよりも安価で入手できる所にあります。