今回、お買取りしたお品物は鶏血石の印材です。
印材は図章、印鑑、落款、判子などを彫る為に使われる素材です。
鶏血石は中国では石の皇后様という意味を込めて石后と呼ばれています。
また貴重で高価な印材として知られており中国の国宝と位置づけられています。
また、諸外国との付き合いでも友好の意を示すものとして贈呈されており1972年、日中国交正常化条約の時に日本の田中角栄首相に鶏血石で最高級の大紅砲を贈呈されています。
日本中に鶏血石が知られるようになると鶏血石蒐集がブームになり中国旅行に来る日本人は鶏血石をお土産に持って帰ったそうです。
そのため現在では、日本にある鶏血石は中国国内にあるものより質の良い鶏血石が多いといわれています。
鶏血石にもランク付けがあり判断基準に色、血の量、硬度の3つがあります。
優先順位は最初に血の色が見られます。
鶏血石は鮮烈な赤が「貴」とされ「鮮」「凝」「厚」が揃った物が上級品とされています。 意味は鮮やかな血のような赤で、赤がまばらではなく固まっており、
血色が表面だけではなく石の中まで滲みこんだ状態をいいます。
次に血の色量が見られます。
血の色量が多いだけではなく血色が集中して分布していることも大切です。
血色量が30%を占めていれば上級品で、50%を超えるのは珍しいので珍品とされ、70%を超えるとほとんど血に覆われており、稀なため極品とされています。
その中でも血の塊が続く鶏血石は高額で、次に血色が線模様で血色が散りばめられている石材はランク最下位になります。
次に印材として使用されるので硬度が見られます。 硬度が低いほど彫りやすくなり、しっとり感が増すので値段が高くなります。
硬度が高く潤い感もない材質であれば蒐集の価値はありません。
硬度が3以下であれば「軟」とされますので目安となります。
またメンテナンスとしては乾燥、高温を避けることが大切です。