今回、いわの美術がお買取りしたお品物は、中国画仙紙です。
画仙紙は書道や水墨画などで使用する紙の事で、中国で作られる画仙紙を「唐紙(とうし)」または「本画仙」と呼び、日本で作られる画仙紙を「和紙」または「和仙紙」と呼び分けがされています。
中国の画仙紙は繊維が短いので弱くて脆いので裂けやすいというデメリットがありますが、墨の粒子が浸透しやすく滲みとかすれが美しく出ると好んで使用している人も多い画仙紙です。
今回、お買取りした中国画仙紙は宣紙と呼ばれる青檀樹の枝の皮と稲藁を主原料として伝統的技法で作られている画仙紙の事で、有名なブランドとして紅星牌、汪六吉牌、金星牌、蘭亭牌などが挙げられます。
宣紙の中にも薄さや原料によって細かく呼び方が分かれており、今回お買取りした中国画仙紙の場合、棉料という稲藁の原料を70%以上、青檀皮を30%以下として作られている画仙紙で、紙質は柔らかく、滲みとかすれのバランスが良く取れていると評価の高い画仙紙です。
その性質上、漢字の書に向いており、中国、日本問わず多くの書家の間で使われています。
長期間保存してあったものなので、色焼けやシミなどが出ていましたが、画仙紙は何年か寝かせてから使用すると枯れて良い味わいが出るといわれており、ほとんどの書家が真新しい画仙紙を使用して作品を書く事はしないそうです。
シミや汚れ、破れがあっても、中国画仙紙は需要があるため、いわの美術では買取を行っております。