今回、いわの美術がお買取りしたお品物は急須で中国の作家・周道生の作品です。
中国では急須の事を茶壺と呼び、日本の急須と比べるとその大きさは小さく、手のひらに収まってしまうような大きさなのが特徴です。
これは、中国茶が香りを楽しむお茶である事から、飲む分量だけを淹れるため、急須の大きさも小さくなっているのです。
お買取りした急須は、六方壺と呼ばれる形で、その名の通り真上から見ると六角形となっている形が特徴で、紫砂という中国江蘇省宜興(ぎこう)市で採取される紫砂泥を使用しています。
この急須でお茶を淹れると渋みや灰汁が急須に吸収され、お茶が美味しくなります。
また、土を板状に伸ばして成形するタタラ造りで一片の狂いもないその造形はとても見事です。
ほとんど使用されていなかったようで、新品に近い綺麗な状態での買取となりました。
また、紫砂の急須は紫砂と謳った全然別の土地の土を使用した偽物も多く出回っています。
急須の出来具合によっては買取る事もございますが、紫砂の急須という評価での買取は行いません。
ただし、量産型の型から作られる紫砂の急須もございます。
こちらは1点での買取が難しいので、まとめて複数あれば買取る事が可能です。
また、紫砂の茶器は使えば使うほど艶が増し、より美しくなるとコレクターの間で古い紫砂の茶器は人気がございます。
紫砂の茶器の歴史は古く、明の嘉靖年代から盛んに作られるようになり、古い時代の紫砂の茶器は高価買取が期待できます。